過日の「イサム・ノグチ 発見の道」
いやいや、ほんとうに(ほんとうにほんとうに)素晴らしかった。
なんと言っても、山口一郎セレクトのサウンドツアーが素晴らしかった。
音楽を聴きながら彫刻を観るって、ありそうでない、できそうでできない体験で、五感をフル活用しているのか、それとも停止しているのか分からなくなるような不思議な感覚。
最後、武満徹で締めるあたり。
もう、泣いちゃうよ。ほんとうに。
マスク生活になってはじめて、マスクが有難かったです。
イサム・ノグチとの出会いは、大塚家具で見たコーヒーテーブル。これ欲しいなー、なんて軽い気持ちで発言したら価格がびっくりだった、、、ってことはあまり大きな声では言えないのですが。もっとかっこいい出会いがあったはずなのに。
2010年にニューヨークのイサム・ノグチ美術館、2013年に牟礼のイサム・ノグチ庭園美術館に行ったけれど、どちらもいますぐにでも再訪したい素晴らしさ。やっぱり、雨風にさらされたり、樹々がゆれる音や、鳥のさえずりとか、そういうもろもろと一緒に彫刻を体感できるのが本来の姿、のような気がします。
私は、イサム・ノグチの石の彫刻を観ていると、
ひとつの作品のなかに、
ざらざらな部分と、
つるつるの部分とがあって、
歪んでいたり、平坦だったり、
とがっていたり、まるかったり。
まるで、自分を見ているようだ、と思うのです。
これだけの作品をいちどに観るといろいろな感情がじわじわと押し寄せてきて、
真っ暗な宇宙に放り出されたみたいだ、と感じるのだけど、
ある瞬間にふと、実は逆で自分の内側に引き込まれているだけなんだってことに気付いたり。
「きみはあなた自身を創造していると思いなさい」
という岡本太郎の声が聴こえてくるようだ。
こういう一瞬一瞬が、私自身を創っていく。
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